ANAキャビンアテンダント
平成27年（2015）～

• 

• 　ユニフォームは、仕事着であると同時に、所属や職業を表現し、ブランドイメージを象徴し、見る人に好意や信頼、安心感や親近感を 与え、また、それを着る人に使命感とプロの自覚を持たせ、同じ服を着る同僚と連帯感を共有するものです。
  　世界的に、それらをもっとも魅力的な形で表現して、ユニフォームと言えばまっさきに取り上げられるのが、エアラインの客室乗務員（フライトアテンダント）ユニフォームです。
  　機内の電子機器に影響を与えないよう、また,乾いた客室内で火事を誘発しないための静電気除去素材、優美な立ち居振る舞いをサポートする伸縮素材、華奢に見えるがすぐれた耐久性など、優れた機能性を内包しながら、伝統的な民族意匠がうまく取り入れられたりしています。
  　イラストはANAキャビンアテンダントで、CIカラー（ブルー）がうまく配された、シンプルなハイデザインです。

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• JAL機長
  平成25年（2013）～

  

• 　男性ユニフォームの代表格と言っても良いのが、パイロットのユニフォーム。
  袖章と肩章には、機長が4本、副操縦士は3本と万国共通になっているランク表示のラインが入っています。
  　軍服との類似性がよく言われますが、凛々しく有能で、使命に忠実な男性をユニフォームで表現すれば、おのずから似た形になっているまでで、国や民族を問わず、人の見かけに関して、共通の美意識や価値観が存在する証左でもあります。

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• 看護師白衣
  

  

• 　ナイチンゲールがクリミア戦争時に立ち上げた世界初の女性看護団は、病床の傷病兵から白衣の天使、あるいは、夜寝静まってからも病棟を見回ったところからランプ（手持ちランタン）の天使と呼ばれました。
  　実際には色物のワンピースで、汚れ防止に白エプロンをつけた姿でしたが、このエピソードから、看護師のユニフォーム＝白衣のイメージが定着して、実際に、白色のユニフォームが長期間着用されました。
  　しかし、心理学的研究で、あまりにも目になじみ、心理的摺り込みがある白衣が、患者の心理に与える影響も考慮して、最近では、目に優しい色使いのユニフォームが増えています。
  　また、当の看護師にとっても、透けやすく下着が気になる白色よりも着やすいことも色物が増えている理由となっています。
  　長い間、スカート型のワンピースでしたが、機能的なところから、最近ではパンツスタイルが多くなっています。

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• 医師白衣
  平成年代頃～

  

• 　医師がスクラブ上下を着るようになったのは、平成年代に入ってからですそれまでは、ドクターコートの下は私服のスーツ姿が一般的でした。
  　スクラブとは、衛生的であることをコンセプトに誕生したアイテムで、院内感染抑制、簡単に洗える、動きやすいなど、すぐれた特徴があります。
  　感染媒体となる水分や埃の付着を抑えるために、水を含まない性質があるポリエステルを素材に、制電性（埃を寄せ付けにくくする）や制菌性を持たせ、また縫製面でも布の重なりを減らすことで菌や埃が滞留しにくくなるよう配慮しています。
  　折り返し衿がない、ポケットも最小限など、独特のスタイリングは、すべて衛生重視でデザインされているためです。
  　それまでは、ドクターの威厳を表現することを重視していたため、菌や花粉、埃を取り込みやすい、ウールのスーツ、コットンのシャツ、シルクのネクタイなど、動植物由来の繊維製品が多かったのですが、院内に入れば、スクラブに着替え、靴なども専用のものを履くのが当たり前になっています。
  　ちなみに、スクラブで青や緑系の色が充実しているのは、血の赤色を見続けることで起こる色残像を軽減するためには、補色関係にある緑や青系が効果的なためです。
  　そのため、今では職種カラーとして定着していて、むしろ白色は少数派となっていますが、昔の名残から医者や看護師のユニフォームは、今も白衣と俗称されています。
  

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• 医学療法士
  ケーシー型白衣

  

• 　医学療法士が資格認定される前後から、そのユニフォームスタイルは、ドクターイメージ、スポーツインストラクター、メカニック（療法に用いる器具の扱いとメンテナンスイメージ）など試行錯誤を重ね、現在はこのようなデザインに人気があります。
  　俗にケーシー型と呼ばれるデザインですが、もとをたどれば、日本で196年から1964年の東京オリンピック直前までTBS系列で放映された米国医療ドラマBen Caseyが視聴率50％を超える人気となり、主役のベンケーシー医師が着ていたアシメトリーデザイン（左右非対称デザイン）のユニフォームを、日本で、番組名にあやかってケーシー型と呼んだことに端を発します。
  　ちなみに、このデザインは中世の理容師姿をヒントに、番組用に創作されたもので、当時の米医療現場にあったかどうかは定かではありません。
  　このように、時の話題から商品名として定着したものは、他にもあります。
  　・サブリナパンツ（映画「麗しのサブリナ」で主演A・ヘプバーンが穿いていた7分丈パンツ）
  　・ヘップシューズ（やはりA・ヘプバーンが穿いたシューズからネーミングされました）
  　・ベンハ―シューズ（映画「ベンハ―」でチャールトンヘストンらが履いていたシューズに似ているため、一般化しました）

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• 介護福祉士のエプロン姿
  

  

• 　介護が市場として立ち上がったのは、20世紀末、厚生労働省が高齢化社会対応として打ち出したゴールド・プランが発表されてからです。
  　施設で働いたり、派遣サービスを行うヘルパー人口は200万人を超え、それまでにあった社会福祉事務所などを加えると400万人近い人が従事する大きな市場になっていますが、今後、ますます需要は増大し、外国人ヘルパーの参入も増える見通しです。
  　介護メニューの充実や細分化専門化が進み、施設の特色づけも顕著になるにしたがって、ユニフォームも、介護でひとくくりにできないほどバラエティが増えています。
  　また、職業病としての腰痛や求人難など業界課題に対応して、そのうちに、パワーアシスト機材装着を前提に、コーディネイトされたヘルパーユニフォームも登場するかもしれません。

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• 建設業現場監督
  

  

• 　ワーキングユニフォームで真っ先にイメージされるのが、建設業のユニフォーム。
  建設業は間口が広く、解体整地から始まり、足場組み、基礎や躯体工事、ガス水道電気通信などインフラ工事、屋根、天井からガラス工事や壁施行、床や作り付け家具、表具、家具設置や造園に至るまで、それぞれに専門職がいる総合産業です。屋根工事ひとつとっても、瓦や金属、アスファルトなど多種多様で、工法や用いる設備も異なります。
  　また、現場職でも、実際の工事に携わる作業者と、監督では、ユニフォームに求められる機能や見かけは異なります。
  イラストは、一般的な現場監督イメージで、ネクタイとドレスシャツの上に、会社が定めた作業服を着ています。
  　ジョブスタイルのコーディネイトとしてはアンバランスなコーディネイトですが、その是非はともかく、日本では、現場監督のアイデンティティとなっています。

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• 鳶職
  

  

• 　鳶職とは、空を支配し機敏に動き回る鳶から連想される、高所作業に従事する職人を指し、胆力と、的確で素早い判断、経験に培われた危険回避や正確な設置技術など、高い専門性が求められます。
  　彼らの多くが穿く独特のニッカボッカ型パンツは、一般的な作業パンツと比較して、そのボリュームやシルエットは異形ですが、実際には、脚の可動域が広く、楽に屈伸できます。
  　しかも、荷物を担いだ際に見えにくくなる足回りを、その幅広い布地がまず触れることで障害物を感知し、脚がぶつかる頻度を減らすセンサーのような役割を果たす合理的な形です。
  　発祥は、膝周りの被服抵抗を減らすために考案された乗馬ズボンですが、独自の美意識で発展を遂げ，現在の形になりました。

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• 大工
  

  

• 　寺社建築の棟上げ式などでは、未だに屋号を染め抜いた印半纏と地下足袋が幅を利かせますが、それは、古来からの文化を支えてきた自負と、匠の技を有する誇りを体現しているからと言えます。
  　今日の大工は能率重視で、通常は丸鋸やカンナ、ドリルなど電動工具を使い回し、従来の手ノコやノミは細部を仕上げるために使われ、正確さを期すため、頻繁に曲尺(かねじゃく)やレーザー測定器を使った寸法取りや角度測定が行われ、強度を確保する金具も頻繁に使われます。
  　ユニフォームは、そんな現実に適した機能やディテールが求められ、収納性の高いベストや上着、カーゴパンツ、道具入れは必需品、安全確保の観点からヘルメットなど従来なかったアイテムも増えました。
  　一見古臭く見える地下足袋や膝周りにゆとりのあるパンツなどは、作業性が良いのでいまだに愛用されています。

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• 整備士
  

  

• 　カバーオールと呼ばれる特徴的なつなぎ服は、上下セパレート型に比べ、背伸びした際にも腰が切れることがなく、また、ボタンやファスナーの金具類を隠す比翼仕立てにすることで、車体を傷つけないように工夫されています。
  　全体的にゆったりしたつくりが多く、腕が動かしやすいよう、袖に続く肩甲骨部分にノーフォークプリーツなどと呼ばれるプリーツを配した物も多く、また、ウエスト部分にファスナーを入れ、上下分離できるものもあります。
  　もともとは、石炭を焚く軍艦の煙突を掃除する際、煤が服の内側に入り込まないよう工夫された円管服（煙管、煙缶、円環とも書いた）から発展したものです。

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• 漁師
  

  

• 　漁の行き帰りは、リラックスしているが寒暖に対応した服装が求められ、網揚げや釣りの際は、波を浴び、魚の血や臓物さえも飛び散る船上で仕事しなければならないため、漁師の仕事着といえば、かつてはゴム引きの合羽を羽織るのが定番でした。
  　平成に入った頃から、軽くて防水性や撥水性に優れたウエアが登場し、また、サロペットと長靴が一体化した、胴付きと略称されるものも普及しています。
  　板子一枚下は地獄と言われる海の上で命を懸ける漁師には、独特の漁師文化があり、歌舞伎衣装のモチーフにもなったほどですが、今日のフィッシャーマンユニフォームは、船の装置と共にハイテク化されています。

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• 農夫，農婦
  

  

• 　太古の昔から営まれてきた農業では、地元産の生地を使い、その地方の気候に合わせた多種多様な服が着られてきました。
  　野良着と俗称されるそれらは、傷んだ部分に他の生地（接ぎ）を当てて補強し、長く使われ「襤褸(ぼろ)」とも呼ばれ、「ボロボロになるまで使う」の語源にもなっていますが、今日的に解釈すれば、それはリサイクルやエコロジーの実践でした。
  　戦後、農作業着は、世界から様々なデザインエッセンスが持ち込まれ、バリエーションは飛躍的に広がり今日に至っています。
  　大まかに分類すると、従来の野良着の今日形、土木作業着、農機オペレーター着、（西欧風）ガーデナーやファーマースタイル、またそのノスタルジックスタイル、アウトドアスポーツウエア、ジャージ（本来は体育着）、ニットカジュアル、などがあります。
  　特筆すべきは女性が穿くモンペの着用率が高いことで、これは、本来、戦時中に女子国民服として考案されたアイテムですが、今日に至るまで、広く着用されていて、割烹着、ジーンズと並ぶロングライフデザインと言えるのではないでしょうか。

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• オフィスウエア（スーツ姿）
  

  

• 　初めて日本に来た外国人ビジネスマンが異口同音に口にするのは、女子社員のオフィスユニフォーム姿。　その普及率の高さにまず驚き、端正で信頼感を高めるデザイングレードの高さを実感し、ビジネスを終えて帰国の際には、実感した仕事クォリティの高さや信頼性が、ユニフォームとの関連で印象付けられることも多いようです。
  　戦後からの推移をみると、服が手に入りにくく高価だった時期に、オフィスで働くことを躊躇する女性が多かったため、いわゆる事務服（現在のスモック型上着）を福利厚生の一環として支給することから、オフィスウエアがスタートしました。
  　その後、日本が敗戦から復興し，中進国から先進国の仲間入りをする間に、企業にブランディング概念が生まれ、社員も、あるいはオフィスそのものも、その一環だとして、イメージやグレードにこだわる企業が増えました。
  　ちょうどその頃、大阪万博（大阪万国博覧会）が開催され、絶好のブランディング機会と捉えた企業グループは、こぞってコンパニオンユニフォームを競い、その直前から世界的なブームとなりつつあったミニスカートやパンタロンスタイルを採用しました。
  　大成功と言われた大阪万博の余韻は、その後も冷めやらず、女子社員ユニフォームが地味で目立たない事務服から、一挙にファッショナブルなオフィスウエアに格上げされたのでした。
  　その後、二度のオイルショックやバブル期など、経済の波にもまれながら、現在に至っています。
  　イラストは事務服の正統的発展系であるオフィススーツです。

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• オフィスウエア（オ―バーブラウス）
  

  

• 　今日のオフィスユニフォームは、スーツ姿、ベストスカート姿、オーバーブラウス姿に大別できます。　欧米では、スーツユニフォームをホテルなどで見かけますが、ベストスカートやオーバーブラウス姿はあまり一般的ではなく、アジアでも近年の傾向です。
  　過去をたどっていくと、もともとこのスタイルは、日本でポピュラーになり、それが、アジア各国の接客業種中心に広まったようです。
  　イラストのオーバーブラウスユニフォームは、ベストスカート姿と共に日本のオフィスユニフォームを二分するスタイルですが、そのルーツは、事務服としてのスモックにあり、野暮ったいスモックに代わるものとして台頭してきました。
  　また、ここまでメインアイテムになった理由は、オフィスで事務仕事をする女性にとって、本来、対面を意識した衿のある重衣料ジャケットは心理的にも身体的にもヘビー過ぎるが、それを脱ぎ去ったスカートインのブラウスだけでは、フォーマルさに欠けるところから、上着同等に見え、手軽なオーバーブラウスが選ばれたようです。
  　なお、オーバーブラウスに控え目な柄物や、ブラウスとしては厚手の生地が多いのは、透けにくさが求められるためです。
  　ちなみに、オフィスユニフォームの双璧をなす（ジャケットなしの）ベスト＋スカートスタイルは、スカートインのブラウスだけではフォーマルさに欠けることと、ベストを着ることで、ブラジャーなど下着の存在を意識させず、シルエットが浮き彫りになることを気にしなくても良いことが人気の秘密と言われています。

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• 百貨店インフォメーション
  

  

• 　ネット通販など便利で簡単な販売形態が台頭する中、販売シェアは低下しても、根強い人気がある百貨店業態を支えている要素の一つが、店内では至れり尽くせりのサービスを受けられる有店舗対面接客にあることは間違いないでしょう。
  　その対面サービスを担うシンボルが、インフォメーションレディ、あるいはアテンダントやコンシェルジュなどの肩書が付いた人々で、当然、ユニフォームには、その百貨店の品格や接客方針、顧客との関係性などがシンボリックに表現されています。
  　現在はシンプルなものが多くなりましたが、昭和３０年代から平成のバブル崩壊に至るころまでは、アンサンブルスーツや凝った切り替えのあるワンピースに、マント、スカーフ、帽子、手袋、ブーツやパンプス、ストッキングなどがセットされた、華やかなものが各百貨店で競うように採用されました。

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• ホテルコンシエルジュ
  

  

• 　コンシェルジェの重要性が理解され、女性にも人気の職業となっています。
  　ユニフォームは、シックな生地のパンツスーツが多いのですが、それは、伝統的にホテル業界の接客部署に男性が多く、お客様にもそのイメージが浸透しているため、あまり女性を意識させないパンツスーツが選ばれているからと言われています。
  　一見、男性のビジネススーツ同様に見えるそれは、実はユニフォームとして考え抜かれたもので、家庭洗濯でき、アイロン掛け不要、しかも制電性素材なので、ホコリが付きにくく、毛羽立ちしにくい、おまけに、ストレッチ性があるので、身体の動きに追随しやすく、長時間の勤務にも疲れにくいなど、極めて実用性が高いものになっています。

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• ホテルベルボーイ
  

  

• 　ベルボーイのユニフォームは、ホテル毎のユニフォームシステムと整合性を取りながらも、世界共通のベルボーイスタイルとも言うべきスタイルの範疇に収まっています。
  　理由は、ゲストが一目見て、つまり間髪を置かずベルボーイとわかることが、ホテルの何より重要なサービスの根幹であるからです。
  　まさにユニフォームがあることの本質を実践している、一種の世界基準でもあるので、紹介する次第です。
  　ちなみに、見かけはほとんど変わらなくても、アパレルやテキスタイル技術の進化と共に、機能性能は漸次更新されています。
  　ホテルシステム発祥の欧米では、ホテル内に自家製縫製工場を持つところもあり、それにつながる生地や附属品納入ブローカーが伝統的に存在していますが、日本の場合、世界的ホテルチェーンを別にすると、メーカーと納入企業が常に切磋琢磨し、外見ではなく性能機能の向上を図っています。

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• ウェイトレス
  

  

• 　フォーマルな接客業の代表とも言えるウェイターとウェイトレスは、20世紀末まで、男女の性差を強調するユニフォームが当たり前でした。　今ではアキバ系と呼ばれ、1ジャンルを確立した感のあるアンナ・ミラーズに代表されるフェミニンなウェイトレスユニフォームなどのことですが、21世紀に入った頃から、徐々に下火となり、代わってベストパンツにソムリエエプロンを被った、フォーマルだが軽快なユニセックススタイルが多くなっています。
  　その理由は、かつて、団塊世代とともに広まった店のコンセプトは、客が主役、つまり客が盛り上がるための店だったのに対して、団塊世代が一線から退きつつある今、台頭する業態は、より専門性を打ち出したイタリアンや焼き肉、オリジナルメニューなどで、主役はあくまで料理であり、店のしつらえも、それを強調するものになっています。
  　ユニフォームも、当然、かわいらしさや奇抜さを廃した、プロっぽいストイックなものが選ばれていると言うわけです。

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• 調理師（和食）
  

  

• 　食の成熟が進む中、かつては裏方だった調理師にスポットが当たり、コックスタイルも、よりプロらしさが強調されています。
  　和食では、カウンター越しに客の前で調理することが多いため、フォーマルシンボルであるネクタイを締め、衿のある白衣を着て客に敬意を払っていることを示しています。
  　キャップは、髪の毛が料理に落ちることを防ぎ、また、髪に油や臭いが付かないよう被るもので、洋食の丈が高い帽子や中華料理の帽子とは異なるシンプルなものです。

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• 調理師（洋食）
  

  

• 　背の高い帽子と、組紐で作られたボタンが特徴的なコックコート、タイ、エプロンでコーディネイトされる洋食の調理師ユニフォームは、今日では目になじんだスタイルとなっています。
  　ボタンの代わりをする組紐は、金属や樹脂のボタンが料理に混入しないように考案されたものですが、調理の際、火や熱湯がかかった際に、素早く脱ぐこともできます。
  　袖の折り返しカフスは、ミトンを使わなくても、フライパンや鍋をつかむことができる便利な仕様です。
  　素材は、火が燃え移らないことを意識して、綿が多いのですが、イージーケアを重視した合繊混紡も広く使われています。
  　ちなみに、背が高い帽子は、フランスから始まったスタイルで、調理師のランクと共に高くなります。

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• 調理師（中華）
  

  

• 　中華料理の調理師ユニフォームは、パンツまでセットになっていることが特徴です。
  開襟、袖ゴムの上着、シンプルなパンツ、多彩な帽子（中華帽、キャスケット、バンダナ帽など）、エプロンで構成され、また、白の衛生長靴を履きはじめたのも中華料理の調理師が早かったと言われています。
  　通常、火を使う調理場は暑いため、アンダーシャツを着ない調理師が多かったようですが、最近は、厳格な衛生管理が求められるため、体毛落下防止のため、アンダーシャツ着用に加え白衣袖にも工夫が凝らされています。

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• バリスタ
  

  

• 　コーヒーの専門知識と技術を売り物にするカフェが増え、そこで働く人は、バリスタと呼ばれそのユニフォームは、マニッシュなシャツにエプロンが定番となっています。
  　従来の喫茶店が、衣替えしただけと見なす人も多いようですが、実は、そうではなくて、人口動態に端を発する構造的変化と言った方が良さそうです。
  　ごく簡単に言えば、戦後生まれのベビーブーマー（団塊世代）が社会人、あるいは家庭を持った頃から、ファーストフード、ファミリーレストラン、居酒屋、喫茶店などのチェーン型外食産業が興隆しました。
  　外で家族を引き連れ、あるいは同僚や仲間と飲み食いするための場が、そこここにできたのです。
  　その後、団塊ジュニア世代が社会人になった頃から、それら喧騒と団らんの場は次第に敬遠され、もっとおしゃれな業態にシフトしていきます。
  　スターバックスが代表例ですが、居酒屋もファミリーレストランも、より専門志向を強め、焼き肉やイタリアン、寿司などが人気となり、そこが提供する料理は、インスタ映えを重視したものに なりました。
  　近年のカフェブームも、その流れに沿ったものといって良いと思います。
  　喫茶店とカフェユニフォームの違いは、前者がアミューズメント、後者はプロフェッショナルがコンセプトであることであり、バリスタユニフォームが今日のように一般化したのは、もともとの発祥であるイタリアで定着していたコーディネイトがカッコ良かったことが大きいと思います。
  

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• 食品製造加工スタッフ
  

  

• 　日本人の、食の安全や安心への関心は高く、2020年には、今までよりも厳密なHACCPが施行されます。
  食品製造加工スタッフユニフォームは一見ものものしい見かけで、自身が汚染源とならないよう、髪の毛や体毛落下の予防対策があり、くしゃみや鼻水の飛散を防ぐマスク、ゴム系手袋などもセットされています。
  　また、エプロンは水を含むと菌を培養しかねないため、しっかりと水を弾き、含まない素材が用いられ、油や水にさらされる床への対策として、耐滑性のある衛生長靴が履かれ、それらすべての生地部分は、抗菌防臭加工されています。
  　手袋やエプロンなどは、使い捨てを原則とする事業場もあるほどで、食の安全が重要視されていることが良くわかります。
  　
  　※HACCP:　Hazard Analysis and Critical Control Point:食品製造工程上で危害を及ぼす要因を分析し、効率よく管理できる部分を連続的に管理し、安全を確保する管理手法、単にハザード分析と呼ばれることもある。
  

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• ファーストフードスタッフ
  マクドナルドのスター

  

• 　日本で、現在につながるファーストフード業態は、大阪万博（1970年開催）の翌年に、日本マクドナルドのオープンとともに始まり、その後急激に企業数が増えました。
  　それまでの店との違いは、顧客目線で見ると、徹底したマニュアル化とブランディングにあり、スタッフの印象はブランディング要素として、重視され、当然、ユニフォームも重要視されました。
  　まだファーストフード店が珍しかった1970年代後半には、雑誌が各店のユニフォーム特集を組み、アルバイト志望の学生もユニフォームが似合うかどうかで判断したほどでした。
  　イラストは平成25年（2013年）から導入されたマクドナルドのグローバルデザイン・ユニフォームで、スターと呼ばれる職名のユニフォーム。スポーティで折り目正しく見える、好感度の高いデザインです。
  　エプロンには、縦ストライプが部分的に入っていますが、これは、お客様から見て、面積が大きいため、色によっては鈍重になりやすいエプロンを、軽快に見せ、シルエットを細く見せる効果があります。
  

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• コンビニスタッフ　男女
  

  

• 　CVSと業態表記されるコンビニエンスストアは、日本の暮らしに溶け込み、今やフルネームではなくコンビニ、あるいは店名を縮めてセブンやファミマ、ローソンなどと呼ばれていますが、その設立は意外に新しく、1962年に当時の鉄道共済会が、米国で流行っている業態を参考に始めたのが最初のようで、今日の主流をなすファミリーマートの実験店開設は1973年、セブンイレブン1号店は1974年ローソンが1975年と意外に遅いことに驚かされます。
  　コンビニスタッフのユニフォームは、その店舗数の多さから露出頻度も高く、目になじんだものになっていますが、そのモデルチェンジとなると、業界が色めき立つほどの一大事になります。
  　とにかく、膨大な数のスタッフがスペアも含め着る枚数は半端ではなく、オリジナルデザインを全店一括納品となると、デザイン選考のリードタイムを経て、生地（織り編み、染色仕上げ）、各サイズ縫製と刺繍やブランドマーキングなどの後加工、店ごとのサイズ別数量分けと納品配送、後フォローなど各工程ごとの作業量は膨大で、それを単独でこなせるユニフォームメーカーとなると、国外に縫製や物流拠点を多く構える数社に絞られるのが現状です。
  　ちなみに、自衛隊ユニフォームデザインが久しぶりに更新されましたが、自衛隊の性格上、国内縫製を必須条件にしているため、全員に行き渡るには10年以上かかると言われています。
  　ユニフォーム大国と言われる日本でも、そんな状態であるのが、古くて新しい産業であり、依然として労働集約型業界の姿なのです。
  

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• 大学生女子リクルートスーツ
  

  

• 　青春を謳歌する大学生が、社会人になるための通過儀礼スタイルとして定着したリクルートスーツ。
  　一見同じように見える黒生地のオーソドックスなアイテムに、似たような書類入れ、靴や髪の毛のまとめ方、さらには神妙な表情さえも加わって、同質化しています。
  　しかし、良く考えてみれば、面接で、個性を主張し、採用担当者の目に留まることをめざす応募者が、他と違う服装を避け、目立つのを避けるのはどういう思考かと思いますが、企業の採用担当者によると、選ぶ側からは、見かけに惑わされることなく、その人の内面や人柄を探りやすいので好都合のようなのです。
  　今日のようなリクルートスーツが一般化したのは、日本がバブル崩壊し、就職氷河期となった頃からで、もとは紳士婦人服アパレルが、就職応援スーツとして売り出したからです。
  　リクルートスーツとは、まだ社会常識も未熟で、自分の個性がどれほど通用するのかも不確かで、不安がぬぐえない大学生向けに、「取り敢えずこれを着ていけば第一関門クリアだよ」と、社会人先輩が贈ったユニフォームなのかも知れません。
  

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• 学生服「女子高校生」
  

  

• 　世界が日本のユニフォームを話題にする時、真っ先に挙げられるのが学校制服とオフィスウエアです。
  特に高校生男女の制服は、世界に冠たる日本のアニメコンテンツでたくさん紹介されていることもあって、海外の同世代も興味津々。日本が主催する海外でのアニメフェアでは、タータンチェックの短いスカートにブレザー、リボンをずり下げた、にわか高校生ファッションがそこここに出現します。
  　親日国と言われる台湾やタイ、ロシアやブラジルなどからも、わざわざ日本の高校生ファッション（高校制服風私服）を買いに来るのだとか。
  　紺ブレにタータンチェックのスカート、大きなリボンのいわゆるブレザー制服が高校に登場したのは昭和の終わり頃ですが、平成に入って雪崩を打つようにブレザー化が進みました。
  　時期的には団塊ジュニア世代が高校に大量入学する頃と重なり、親世代がファッションの洗礼を受けていたこともあって、それまでの詰襟、セーラー服とイメージが大幅に異なるブレザーが受け入れられました。
  　ブレザー制服は、それまでの高校生イメージを刷新し、高校生ファッションなる言葉まで生まれましたが、20世紀の終わりごろには、ブレザーや、わざと伸ばしたカーディガンにルーズソックスを履き、ヤマンバと呼ばれるメイクをした高校生が現れ、またその格好をするための資金を得るバイト（援助交際など）が問題になり、賛否両論が湧きおこったりしました。
  

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• 学生服「セーラー服」
  

  

• 　セーラー服は今でも中学校制服の中心的な存在です。
  もとは水兵「セーラー」のユニフォームですが、欧米では19世紀後半に子供服の定番として普及し、20世紀初頭、大人の女性がマリーンスポーツ（水泳など）に親しみ始めた頃、海に行くための服としてマリーンルックが流行し、それが学校制服にも取り入れられ、回りまわって日本で定着したものです。
  　日本では、それまで女学生と言えば、着物に女袴の女書生スタイルだったものが、大正時代に、主にミッション系の女学校が欧米でポピュラーになっていたセーラー服を相次いで取り入れましたが、その目新しいスタイルが社会に受け入れられ、また、当の女子学生たちの自慢のタネとなり、今日に至っています。
  　欧米では、学校制服が廃止されるにつれ、セーラー服も次第に廃れましたが、日本では今なおポピュラーな存在です。
  　経済的な面で見れば、それまでの絹の着物を何枚も用意し、袴を付けるスタイルは、大変高価で、経済的な負担も大きかったため、モダンだが比較的安価なセーラー服ユニフォームで、女子の就学を促す役割もあったとされています。
  

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• 学生服「詰襟」
  

  

• 　詰襟学生服は、明治の頃、当時日本唯一の大学だった東京帝国大学が、学生に風貌の端厳「見かけが凛々しく、いかめしい様(さま)」を求め、当時の軍服を意識しながら制定されたものがベースとなっています。
  　日本は江戸時代から教育に力を入れ、明治に入り、国民皆教育制度ができてからは、わが子に教育を授ける熱がさらに高まり、詰襟と学帽は、その象徴と見なされたので、家計に余裕のある家庭の子らは、詰襟や、その派生である折り襟（衿が折り返しになっている金ボタン式詰襟）を着ていました。
  　ブレザー型制服が、学校ごとに異なる「スクールユニフォーム」であるのに対し、詰襟は、それを着ているだけで、学生身分を表明している、いわゆる「学生服」でした。
  　ちなみに、戦前の尋常小学校では、学校が定めた制服などはなかったのですが、詰襟を着る子が次第に増え、また、戦後、教育制度が改められた後の新制中学校、高校でも、改めて、詰襟やセーラー服が制服に制定されたことを見ても、詰襟の人気が根強いことが窺えます。
  

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• 僧侶
  

  

• 　世界でもっともユニフォームが整っているのは、宗教と軍隊です。
  言い方を変えると、少なくとも宗教と軍隊は、その本質からしてユニフォームを必要としています。
  　軍隊では、敵味方の識別、階級明示、作業性（迷彩服：所在秘匿性、戦闘服や用具：戦闘や訓練・準備に適した機能性や被弾した際の易治療性まで考慮されている）、連帯感の醸成、さらには相手に対する 威圧性（華麗さや凄みも含む）が必要とされます。
  　宗教では、教義の体現と独自性の強調を目的に、長い間の洗練を経て、魅力的なスタイルが形成され、信者を増やす役割を果たしています。また作業性（宗教行事の所作適合性、場面適合性）、階級明示が必要とされます。
  　イラストは、日本の禅宗僧侶で、袈裟(けさ)が片脱ぎなのは、相手への敬意を表しています。
  　宗教によっては華麗な法衣もありますが、禅宗は、その教義から、虚飾を廃したストイックなスタイルです。
  

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• 自衛官
  二等陸佐　幹部常装冬服

  

• 　自衛隊が軍隊かどうかの論議はさておき、一般的に、どこの軍隊でも、ユニフォームは重要視され、階級別、任地別（陸海空、寒暖、砂漠や森林など）、用途別（儀礼服、通常勤務、戦闘など）男女別など、ユニフォームシステムが出来上がっています。
  　また、セキュリティや支給継続性の面から、国内製を基本とし、目的を達するためには、コストにあまりこだわることなく、その時代の最先端技術や独自技術を取り入れています。
  　自衛隊では、ユニフォーム以外にも、野戦毛布などの繊維品には、日本独自の化学繊維であるビニロンを用いたりしているほどです。
  　イラストは、幹部クラスの士官（二等陸佐）の冬服で、帽子、上衣には、階級明示（襟章、肩章、袖章、左胸には所属や経歴を示す記章が付いています。
  　なお、ユニフォームは、基本的に武器扱いなので、銃などと同様、厳重に管理されます。
  

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• 自衛官
  一等陸尉　幹部常装夏服

  

• 　女性自衛官は、陸海空合わせて全体の約6％、1万3千人規模になっています。
  イラストは陸上自衛官で、帽子、半袖開襟シャツにスカート、パンプスで構成されます。
  階級を示す肩章、胸の記章はバッジが取り付けられています。
  

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• 自衛官
  二等陸尉　戦闘装着セット

  

• 　いわゆる戦闘服は、その時得られる最先端技術の精華です。
  陸上自衛隊の戦闘服は、難燃性、制電性、耐摩耗性、高い引き裂き強度、衣擦れ音が少ない、臭いがこもりにくいなどの特性を備え、また敵に見つかりにくい迷彩柄、暗視スコープに映りにくくなっています。
  

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• 自衛官
  三等海佐　幹部常装夏服

  

• 　女性の海上自衛官幹部夏服は、白基調で伝統的に白手袋が付帯しています。
  上衣ウエスト部はタックを入れることで、たるみをシルエットに見せず、ベルトが付いています。
  

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• 自衛官
  海士長常装　冬服

  

• 　海上自衛隊の曹士（下士官）のうち、セーラー服（水兵服）を着るのは海士と呼ばれる階級の男性だけです。
  セーラー服は、18世紀初頭から欧州各国の海軍が取り入れたもので、海に落ちた際、服がまとわりついて溺れないよう簡単に脱げるように上下二分式にして、それぞれも簡単に脱げるよう設計されたものでした。
  　また、特徴的な大きな襟は、それを持ち上げることにより、フードの代わりや、艦上で遠くの音声を拾う集音幕となり、スカーフは、非常時には、止血帯や物入れ（風呂敷）、ロープの代用にもなりました。また、袖や衿には、刺繍マークやラインが入り、所属や役割を示すようになっています。
  　一見したところ、昔からあるデザインですが、素材は、綿織物から合繊混になるなど進歩しています。
  　なお、陸上や、航空自衛隊の服装に対して、海上自衛隊の服装が、概してポケットも少なくシンプルなのは、清潔を特に意識しているためで、不潔な環境で発生しやすい赤痢やコレラなど伝染病が蔓延すれば戦闘どころではなくなるためです。
  　現在の行きとどいた艦内設備では、そんな心配はいらないと思いますが、冷蔵庫や空調もない帆船時代の名残りとして清潔第一主義がデザインに生きています。
  

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• 自衛官
  一等空佐幹部常装冬服

  

• 　海上自衛官幹部ユニフォームが詰襟型で脇ポケットもないのに対し、航空自衛隊のユニフォームは、階級表示も含め、陸上自衛隊とほぼ共通のジャケット型です。
  　ただし、ポケットは、普段、持ち歩きやすいものが異なるため、サイズが異なり、また基地の立地に合わせ、色も異なっています。
  

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• 自衛官
  三等空佐航空服装

  

• 　自衛隊のユニフォームシステムは、常装の冬と夏服、礼装、作業服、武装（甲乙があります）、演奏服装（音楽隊）、職種と任務に合わせた特殊服装が13種類あり、イラストの航空服装もそのひとつです。
  　航空服（つなぎ型）をベースに、耐G服（飛行中、上半身の血液が不足するのを防ぐ）、海に不時着した際のサバイバルを考えた耐水服仕様に加え、救命胴衣、救急セット、救難照明弾などを加え、時計、手袋、靴、ヘルメットもそれぞれ最適化が図られています。
  なお、手に持っているのはヘルメットバッグです。
  

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• 海上保安庁
  二等海上保安監冬服

  

• 　海上保安庁は、領海警備や治安維持、海の交通安全や防災、海難救助、環境調査や保全など、多岐にわたる業務をこなす国土交通省の外局で、島国日本の広大な海を管轄しています。
  　二等海上保安監の場合、ユニフォームは伝統的なダブル前ジャケットになっています。
  　一目で船乗りとわかる、その世界共通のスタイルは、帆船が主流だった時代に、上着が風を孕んで身体ごと吹き飛ばされないように、左前、右前を切り替えられるように縦二列にボタンを配したもので、実用性と見かけがマッチした機能美となっていて、ユニフォームデザインの傑作の一つと言えます。
  　なお、海上保安庁は階級、職種、季節（夏服、冬服）で異なるユニフォームシステムが定められ、一万三千を超える職員が着用しています。
  

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• 海上保安庁
  特別警備隊 警備出動服

  

• 　海の治安をゆるがす事件が多発したところから、昭和56年（1981年）に創設された特別警備隊は、「海の機動隊」とも呼ばれ、不審船への立ち入り検査などハードな任務をこなす組織です。
  　警備出動服は、万一の事態を想定し、水を含んだ服で身動きが取れないことのないよう、素材や仕様が工夫されていて、防弾ベスト、ヘルメットやゴーグル、プロテクターなどを装着し、拳銃や手錠も 所持しています。
  

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• 海上保安庁
  特殊救難隊 特殊救難服

  

• 　特殊救難隊員は、ヘリコプターを使用した水難救助、火災消火や有毒環境での人命救助など、高度な知識や技術、体力が要求され、その活躍は映画「海猿」などでもおなじみです。
  　特殊救難服は、国際規格でもある視認性の高いオレンジ色を基調とし、素材は難燃性、耐切創性、水分を保持しないものが用いられ、防水性の高い衣服となっています。
  

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• 海上保安庁
  特殊救難隊 潜水士 潜水服

  

• 　レスキュースーツとよばれる特殊救難隊潜水士の潜水服は、ネオプレーン素材で作られています。
  　ネオプレーンとは、米デュポン社の商標で、天然ゴムを凌ぐ素材をめざし開発された初の合成ゴムで、断熱性に優れ、糸で作られたテキスタイルでは表現できない立体的シルエットが作りやすいため、ウェットスーツに用いられるようになったものです。
  　潜水士ヘルメットとゴーグル、シュノーケル、ダイバーウォッチやフィンや手袋などと共にセットされ、一目で潜水士であることがわかります。
  

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• 警察
  巡査部長　合服

  

• 　警察のユニフォームは、平成6年（1994年）に現在のスタイルに改められました。
  　それまで26年間にわたり支給されたものと比べ、威圧感やいかめしさを減らすことに重点が置かれ、冬服では、初めてティラード仕立てではないブルゾンが採用されました。
  　イラストは合服ですが、左胸には識別章付き階級章が付き、ベストは各種収納物を考慮したサイズのポケットが機能的にレイアウトされています。
  

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• 警察
  巡査　冬服

  

• 　女性警察官には、スラックスと共にスカートが用意され、これまであまり意識されなかった女性らしさが強調されていますが、上着は肩章（エポレット）が付いて、袖には袖章もあるマニッシュなもので、警察がめざす女性警官像がこのスタイルに結実されています。
  　ちなみに、帽子は、それまでのミリタリー色が強かったツバのないトーク帽から、ツバの後ろを折り返したデザインで、上着の硬さを和らげるデザインになっています。
  

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• 警察
  白バイ隊　交通乗車服

  

• 　交通違反取り締まりを主な業務とする白バイ隊は、丈の短いダブル前ジャケット、ハイウェストのライダーパンツとブーツ、情報機器を組み込んだヘルメットやサングラスなどで、バイク運転に適したデザインになっています。
  　独特の明るいブルーユニフォームとコントラストがある、首の白いマフラーは爽やかでスピード感があり、また、パンツ側面には、視認性が高い再起反射テープがついています。
  

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• 警察
  機動隊出動服

  

• 　機動隊は、暴動や集団犯罪を警備、鎮圧するため各都道府県に設置されています。
  　出動服は、難燃性、防水性に優れた強度のあるものですが、さらに防護のために、防弾性能のあるベスト衣垂れ、篭手(こて)や肘当て、すね当てを外装し、スカーフで首元を覆います。
  　また、外装ではなく、一見しただけではわからない内装式も用意されています。
  　フルフェイス型のヘルメットやポリカーボネイト性の透明な盾(たて)は軽量ですが高強度で、隊員の身体を護っています。
  

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• 消防庁
  特別消火中隊 消防士長 防火衣

  

• 　消防隊が使用する防火衣は、いつの時代も、その時点の最先端技術で作られています。
  　耐炎、耐熱、耐水、透湿性に優れ、しかも軽量で運動性に優れたものをめざしています。
  　また、ハーネスやザイルなどギア類も、見かけは変わりませんが、高い性能と耐久性を備えています。
  　イラストは、平成16年（2004年）から活動を開始した東京消防庁特別消火中隊のもので、特殊な火災にも対応できるハイスペックなものです。
  一般隊員から選抜され、高度な知識と技術、体力を身に着けた隊員は、金色の防火帽、黒色の防火服などで、他の消防隊員と異なる見かけとなっています。
  

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• 消防庁
  救急隊 感染防止衣

  

• 　救急隊には、消防隊のほかに、救急搬送や救急救命士による応急処置、レスキュー隊による人命救助などがあります。
  　そのユニフォームは、血液、体液、ウィルスやバクテリアなどからの感染防止、化学薬品によるかぶれなどを想定して、仕様が工夫され、ゴーグル、マスク、手袋、靴に至るまでが最適化されています。
  

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• 消防庁
  レスキュー隊　救助服

  

• 　被災地に出向き、一般人には救助困難な場面でも、用具と自分の身体を駆使して活動するレスキュー隊員の救助服は、要所を補強した頑強なもので、難燃性、防水性、防塵性（埃が生地から入り込みにくい）、防汚性（土や油汚れに比較的強い）などに優れ、脱着しやすさを考えて上下別のセットになっています。
  　ヘリコプターや崖などからのザイルワークに必要なハーネス類、尖った岩やコンクリート片が散乱する現場を想定して、あらかじめ装着する樹脂製の肘や膝カバー、踏ん張りが利き、歩きやすい編み上げ靴などが、作業をサポートしています。
  

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• 日本郵便
  配送業務 外務用/内務用

  

• 　逓信省時代から続く伝統職業である郵便は、平成になって民営化され、日本郵便（Japan Post）となりましたが、伝統の〒マークは継承されています。
  　外務用、内務用ユニフォームも、それまでの堅苦しいイメージのジャケットスタイルから、ブルゾンやポロシャツなどカジュアルで活動的なアイテムに変わりました。
  　また、信頼の証としてIDカードが採用され、そのストラップには、JPのコーポレートカラーである赤色が用いられています。
  外務用（郵便配達スタッフ用）には、上下共に反射テープが付けられ、視認性を高めています。
  　なお、従業者が多い組織のユニフォーム・モデルチェンジは、どこもそうですが、日本郵便のユニフォーム採用に当たっては、コンペ形式が採用され、参加メーカーや販売業者による激烈な競争が繰り広げられました。
  

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• 日本郵便
  窓口業務職員 男/女

  

• 　郵便窓口業務のユニフォームは、男女ともチャコールグレーにオレンジアクセントが入ったデザインが採用されました。
  　女性は、銀行業務を強く意識し、他の銀行とイメージが似通うベストスカート姿、男性は、コンシェルジュを思わせるフォーマルなジャケット姿です。
  

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• JR
  東日本JR駅長

  

• 　昭和62年（1987年）に国鉄から民営化され、6つに分かれたJR各社のユニフォームは何度かモデルチェンジしています。
  　イラストは、平成14年（2002年）から採用された東日本JRの駅長接客服冬服です。
  　駅長の印である制帽の赤い胴周に入る金線は、国鉄時代から親しまれていたもので、現在でも継承されています。
  

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• JR
  女性運転士 夏服

  

• 　JRのユニフォームは、概して、安全への信頼を形にしたものが多く、どのデザインも、しっかりした衿があります。
  　日本の古来からの常識では、「襟を正す」「矜持がある」など、衿がフォーマルさや誠実さを示すものと見なされることが多く、JRもその見方を踏襲しているのです。
  　ところで、世界各国の鉄道マンの着こなしを見てみると、その着こなしは千差万別で、せっかくのユニフォ－ムをだらしなく着崩しているところも結構見かけます。
  　しかし、日本の鉄道は、客の目に触れるところでは、JRはもちろん中小私鉄も、折り目正しい着こなしが当たり前になっていて、世界各国からやってきた人々の感嘆するところとなっています。
  　その理由は、鉄道マン（もちろん女性を含みます）になりたかった人の率が高いからだそうで、小さい頃に見た鉄道マンがカッコ良くて、それで自分も鉄道マンになった、なったからには誇りを持って勤務する、つまり、見かけや着こなしの善循環が行われているのです。
  

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• セールスドライバー
  ヤマト運輸セールスドライバー

  

• 　私たちの暮らしに欠かせない宅配便の歴史は意外に浅く、ヤマト運輸が昭和51年（1976年）に小口宅配事業を始めてからです。
  　当初は儲からない事業と見なされていたものの、その便利さから急成長し、現在ではネット通販市場の拡大もあって、なくてはならない存在となっています。
  　イラストは、宅配便のトップ企業ヤマト運輸のセールスドライバー職のもので、帽子、ジャケット、ポロシャツ、パンツやベルト、靴などが一式貸与されています。
  　他の企業では、スポーツウエアメーカーと組んで、業務利便性を第一に、それまでのユニフォーム常識を覆すハーフパンツスタイルを開発するなど、イノベーションも盛んです。
  

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